無幻真天楼第二部・第五回・参【靴下の魔法】

  • 2013.06.08 Saturday
  • 11:08
 「絶対何も…ねぇ」
呟いたマホの吐き出したふわふわと浮かぶタバコの煙の向こうには阿修羅と阿耨達
ひきつる阿修羅とあおの阿修羅をジトォっとした目で見る阿耨達の周りの空気は固まっていた
「…確かに何もしてねぇけど…;」
その様子を見ながら京助が鼻をかむ
「こんな時に限って父さんいねぇし;」
ティッシュを丸めるとゴミ箱めがけて投げる
「阿耨達」
襖があいて顔を出したのは矜羯羅と制多迦
「あ、矜羯羅様制多迦様」
「ハヒハヒ」
阿耨達とアサキンが同時に声を上げた
「なにしにきたのさ」
単刀直入に聞く矜羯羅
「ハヒハヒ」
「…さしぶりアサキン」
その横でアサキンが制多迦によじ登っていた
「あっちゃん何もしないですよー」
笑ながら言う阿耨達から今だといわんばかりに離れた阿修羅がタバコをふかすマホに元へと逃げる
「なんで連れてきたんきに;」
「んー…しょうがないだろ。悠助のあの目で見られたら」
フーッと阿修羅に吐き出した煙をかけながらマホが言う
「オライが阿耨達苦手なんのしっとるだろが;」
小声で、でも勢いよく怒鳴る阿修羅がマホの肩を揺らした
「味方ってわけじゃないんでしょ?」
立ったままで阿耨達を見下ろす矜羯羅が聞くと阿耨達の顔が曇る
「答え方によっては…」
スッと上がった矜羯羅の手の指には小さな宝珠
「待て待て待て;ここ家!!家ん中ですからしてッ!!;」
あわてて京助が止める
「阿修羅は歓迎されてるのにあっちゃんは追い払われる…阿修羅はこんなに可愛いものに囲まれて…ッ」
ブツブツ言った阿耨達がバッと顔をあげてそしてキッと阿修羅を睨んだ
「あっちゃんの方がお前より前にいるのにどうしてお前ばっかりッ!!」
「知らんがな;」
阿修羅に向かって怒鳴った阿耨達
「あっちゃんだってあっちゃんって呼ばれたかった…ッ」
「呼んでもりゃぁいいじゃないかい;」
「呼び方被るだろうが!!」
くっと悔しそうに言った阿耨達に阿修羅が突っ込むと怒鳴り返された
「被るって…;」
「世の中 あっちゃん って呼ばれてるやつなんざ沢山いらっしゃると思うんですけども;」
スンスンと鼻をすすりながら京助が言う
「あっちゃんは阿修羅とかぶるのが嫌なんだ」
「はっはっは;困ったねぇ;」
「いくつだよ;」
ドヤ顔で言いきった阿耨達に呆れる京助と阿修羅
「…で?結局何しにきたの?」
無視されていた矜羯羅が少しイラっとしているような口調で聞く
「寂しいから来ただけ」
「ハヒハヒ」
阿耨達が答えるとアサキンも制多迦の頭の上で頷いた
「ふぅん…ならいいよ」
「いいのかよ;」
矜羯羅が手を下す
「大人しくしているなら…ね」
そしてそのまま歩くとテーブルの傍に腰を下ろした
「…かったね阿耨達」
ヘラッと笑った制多迦も矜羯羅の傍に座る
「お茶持ってきたっちゃ」
襖があいてポットを持った緊那羅が入ってきた
「せめぇ;」
それなりに広いはずの栄野家の茶の間
少し前までは京助と悠助と母ハルミ、そしてコマとイヌしかいなかったため無駄に広いと持っていた茶の間が今となっては狭くて仕方なく感じる
「…ったく…」
今となってはこっちが当たり前で日常で
京助がちょっと嬉しそうに立ち上がると茶箪笥から湯呑を人数分テーブルに並べた

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  • 2017.06.14 Wednesday
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