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    無幻真天楼第二部・第五回・参【靴下の魔法】

    • 2013.08.29 Thursday
    • 05:49
     テーブルの上に並べられた湯呑に傾けられた急須口から湯気の立つお茶が注がれると部屋中に広がる香り
    人数が人数なだけに途中でお茶っ葉を取り換える緊那羅
    お茶が入れられた湯呑を京助が次々に回すとそれをまた次々に遠くにいる人の方へと回す
    いつの間にか当たり前になっていたこういう行為
    それを不思議そうに眺めていた阿耨達の前にも湯呑がやってきた
    「ハヒーィ…」
    アサキンが身を乗り出して湯呑を覗きこむ
    「…」
    阿耨達が湯呑を見た後ちらっと横目で見た方向には阿修羅とマホ
    「…」
    その二人からまた湯呑へと視線を移した阿耨達が指でスススッと湯呑を阿修羅たちの方へ動かした
    「ハヒハヒ!」
    アサキンがテーブルをペチペチ叩くとそれに気づいたマホがニヤッと笑った後キセルで何かを指す
    「見てみろ阿修羅」
    そして阿修羅に何か耳打ちした
    「ん?」
    阿修羅が顔を上げると目の前には湯気の立つ湯呑
    「ハヒィー…」
    アサキンが阿修羅の顔を見上げて小首をかしげた
    「…あんがとさん阿耨達」
    「フン…」
    アサキンを撫でながら阿修羅が言うと阿耨達がそっぽを向く
    「熱いからなー」
    京助が一応注意を呼びかける
    「…熱いって言ったでしょ」
    ズズッとお茶を啜る矜羯羅の隣で制多迦が口を押さえていた
    「大丈夫だっちゃ?;」
    緊那羅が制多迦に声をかけると制多迦がプルプルする手を挙げてそして振った
    「大丈夫みたいだぞ?大丈夫そうには見えんけど」
    京助が湯呑を手に取って口を付ける
    「ハヒー…」
    阿耨達の前に置かれた湯呑をアサキンが覗き込んだ
    ユラユラ揺れる湯呑の中に映った自分の姿
    「ハヒハヒ!!」
    そしてペチペチとテーブルと阿耨達を叩く
    「早く飲みィ言ってんよ」
    「うるさい」
    阿修羅が言うと阿耨達が返した
    「ハヒ?」
    ふとアサキンが何かに気づき小走りで阿耨達から離れる
    「アサキン?」
    一同がアサキンを目で追った
    「ハヒーィー…ハヒ?」
    アサキンがクリスマスツリーを見上げる
    「ハヒ?」
    そしてつるされていた靴下に目を止めた

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