無幻真天楼第二部・第五回・四【ゆき  

  • 2013.09.27 Friday
  • 10:40
「えー…こちら茶の間の窓の前です…何も見えませんドウゾ」
『ハイハーイこちら便所の前の窓の前ー 同じくなんっ…も見えんわ』
京助が茶の間の窓の前で電話の子機を片手に会話するのはおそらく坂田
「この中家から出るっていうのは完全なる自殺行為と思えますが如何思いますか坂田さん」
『あー…そのうち連絡網とか回ってくんじゃね?』
「だよなぁ…;小学校休みなんだから俺らも休みだよなぁ…たぶん」
そういいながら京助が見た窓の外は真っ白で何も見えなく時折強く吹く風がガタガタと窓を揺らした
「連絡網来るなら電話かけてちゃ取れないでしょ」
朝飯の片づけをしながらハルミが京助に言った
『そうですよねッ!!そうですよねハルミさんッ!!じゃ切りますッ』
「はっ!?;ちょ…おいさ…;」
京助が話しかけた電話の向こうからはプープーという音しかせず
「…切りやがった;」
京助が子機を充電器に置いた
「にしてもすごい天気ねぇ…今までこんな天気になったことあったかしら」
ハルミも窓の外を見る
「そうだろうな」
いつの間にいたのか竜之助がストーブに石炭を入れながら言った
「【時】のせいだからな」
「は?」
ガチャンとストーブの蓋を閉めた竜之助
「【時】が近づくとこういうことが起きる」
「こういうって…」

ピルルルル…

京助の言葉の途中で電話が鳴った
「はい…あら、ええ、ちょっとまってね 京助池田君」
「おっ連絡網?」
京助がハルミから子機を受け取る
「もしもし私だ…は?合言葉?知らんがな」
話し始めた京助からハルミが竜之助へと視線を移した
「…ごめんな」
竜之助が小さく言うとハルミが小さく首を振る
「よっしゃー!!休みじゃー!!」
京助の声が家に響いた

「…いくナリ」
「いつでもいいよ」
悠助の部屋で向い合せに座る慧光と烏倶婆迦
その手にあるのは各二枚のトランプ
「早くー早くー」
悠助が言った
「こっち!!」
慧光が勢いよく烏倶婆迦の持つトランプの右側を引いた
「慧光の負け」
慧喜が言うと慧光ががくっと肩を落とす
「えこちゃん弱いー」
「うっ;」
悠助に言われ慧光が涙ぐむ
「泣くなッ」
途端に慧喜に怒鳴られぐいっと涙をぬぐった
「慧光連続で6回負けてる」
トランプを集めながら烏倶婆迦が言う
「し…仕方ないじゃないナリか…;弱いものは弱いナリ;」
慧光が小さく言うとガタガタッと家が大きく揺れた
「すごい風だねー…お家壊れないかな…」
「壊れても悠助は俺が守るから」
不安がる悠助を慧喜が思いきり抱きしめる
「きっと【時】のせいだよ」
烏倶婆迦がシャッシャッと手際よくトランプを切りながら言った
「【時】…?」
きょとんとする悠助がしばらくしてハッとした顔する

思い出した

知らない人が来て

みんなに怪我させて

そして

慧喜がいなくなって

慧喜が泣いて

慧喜が…

悠助が慧喜を見た
瑠璃色の瞳も悠助を見ている
「悠助?」
慧喜が悠助に声をかけた
「えき…」
悠助が慧喜を抱きしめる
「僕も慧喜を守りたい…」
悠助が小さく言った

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