無幻真天楼第二部・第五回・四【ゆき ァ

  • 2013.12.17 Tuesday
  • 09:17
「ねぇ京助ー」
「あー?」
「クリスマスまでに吹雪止むかなぁ」
悠助が真っ白で何も見えない窓から京助に体を向けた
「さぁなぁ…まぁ止むんじゃねぇの?」
ガタガタという窓に京助も近づく
いつもなら見えるはずの景色は吹雪に飲まれて何も見えない
「サンタさん…来れなくなっちゃう」
しゅんとした悠助その向こうにはクリスマスツリー
「大丈夫だ悠」
京助が悠助の頭に手を置いた
「クリスマスツリーあるだろ?」
「うん」
「光るだろ」
「うん」
「それ目印にしてくるから大丈夫だ…って誰かが言ってたぞ」
悠助の頭をグリグリ撫でながら京助が言う
「誰かって?」
「誰かだ」
悠助が聞くと京助が答えた
「そっか…誰かが言ってたなら大丈夫なんだねっ」
それで納得したのか悠助が笑顔を向ける
「悠助ー」
慧喜の声がした
「慧喜ー」
慧喜の名前を呼びながら悠助が声のした方にかけていく
「…誰かって誰だっちゃ?」
「お前もかよ;」
悠助と同じ質問をやや後ろにいた緊那羅も聞いてきた
「誰かっていうのは誰かだっちゅーん;」
「…操…?」
緊那羅の一言、京助が止まった
ストーブにかけられたヤカンがシュンシュンと音を立て
かけられた時計が時を刻む音が聞こえる
ガタガタと揺れる窓
続く沈黙
「…わからん」
「そ…っか」
口を開いた京助に緊那羅も返した
そしてまた沈黙
早く誰かきてこの沈黙を壊してくれないかと思う時ほど誰も来ないのはお約束で
ややしばらくの時が流れた
カタカタいい始めたヤカンの蓋
それを少しずらそうと緊那羅が動いた
緊那羅が蓋をずらすと音が止む
いつもいらないところで誰かやってくるくせに今日、今は誰も来ない
「あ…の京助」
呼ばれて京助が顔を上げると正座をした緊那羅がまっすぐ京助をみていた
「あの…」
少しだけ緊那羅が俯く
「あのわた…
スパーン!!!
緊那羅が何か言いかけたその時勢いよく襖があいた
 

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